〜 サルモレッホとは、いわばガスパッチョの親戚筋にあたる、冷たいスープのことだった。野菜やトマトとニンニクだけを使い、湿らせたパンと生卵をつなぎにしているから、ガスパッチョよりさらにとろっと濃い。ガスパッチョよりももっと素朴な、単純な味。でもマイーテのお母さんは、娘の自慢どおり、腕のいい主婦のカンとコツで、その素朴な味を見事に決めている。私が何のお世辞もなしに「とてもおいしい!」と言うと、マイーテは「ね、だからうちのサルモレッホはおいしいって言ったでしょ」とにっこりした。 〜
(太陽が一番のごちそうだった 新宿書房 p.261,262 より引用 著者 渡辺万里)
日本でも各家庭のお味噌汁の味が各家庭によって違うように、スペインでも salmorejo(サルモレッホ)の味は各家庭様々です。アンダルシア地方のコルドバが発祥の地となっており、salmorejo cordobés (サルモレッホ・コルドベス)とも呼ばれています。ガスパチョとほぼ同じ立ち位置にありながら、スペイン語圏外でのサルモレッホの知名度はガスパチョほどではないのかもしれません。
しかし、その口当たりや風味の良さと栄養の高さは、その昔スペインのお百姓さんが畑仕事にもっていくお弁当として重宝されただけあります。スペインの家庭は、海水浴にもサルモレッホやガスパチョを持参します。最近では、フルーツを使った進化したサルモレッホも好まれています。まずは、スタンダードなサルモレッホをマスターしてこの夏栄養補給に家庭で試してみてはいいがでしょうか。女性には嬉しい美肌効果や整腸作用もありますよ!
サルモレッホ(4人分)
材料:完熟トマト 1kg
パン(ずっしりと中身のあるパンがおすすめ、固めO.K.)200g
にんにく 半かけ〜1かけ お好みの量
ワインビネガーまたはリンゴ酢 お好みの量
オリーブオイル 50ml〜100ml
塩 お好みの量
生ハム 100g(刻む)
ゆで卵 2個(刻む)
作り方:パンは柔らかくなるまで水に浸して軽く絞って野菜の材料をと共にミキサーになめらかになるまでかける。にんにくは入れすぎると味が強くなるので切って少しずつ加える。ビネガー、オリーブオイル、塩も味見をしながら少しずつ加える。仕上げにゆで卵と生ハムをちらす。