サイトアイコン スペイン語を学ぶなら、スペイン語教室ADELANTE

バスク・ペロタ(Pelota Vasca)

バスク・ペロタと呼ばれるバスク地方の伝統スポーツをご存知ですか?木製のラケットで打つ、ラ・パラ(La Pala)、木製の小さな籠を使うラ・セスタ・プンタ(la cesta punta)、素手で球を打つエル・レモンテ(el remonte)は、フロントン(El frontón)と呼ばれるコートで壁に向かって球を打つ、スカッシュに似たコート・スポーツです。その他にも、巨大な爪の形をした特殊なグローブを手に着けて、遠心力をつけながらボールを打ち合うハイアライなど、種目にバリエーションが多いのが特徴です。そしてサッカーほどポピュラーではないとしても、実はスペインの他にも世界各国(フランス、アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、カナダ、コスタリカ、キューバ、チリ、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、フィリピン、グアテマラ、イタリア、メキシコ、パラグアイ、ペルー、アメリカ領プエルトリコ、ウルグアイ、アメリカ合衆国、ベネズエラ、オランダ、スウェーデン、インド、ギリシャなど)で愛されている競技なのです。そして、国際バスク・ペロタ連盟によって、その競技の各種別各種目でのボールの重量やルール、コートサイズなどの基準が細かく定められています。

 

そんなバスク・ペロタですが、一時は人気が衰退して存続の危機に面していたこともありました。ペロタ界のメッシとロナウドと呼ばれるアイメール(Aimer)とイルッホ(Irujo)の活躍によりファンが増えて再び復活を遂げ、彼らの試合を一目見るために140ユーロにまでチケットが跳ね上がったこともあるそうです。コテト・エスクーラ(Koteto Ezkurra)も素手打ちのエル・レモンテを救った一人で、マノマニスタ・チャンピオンシップ(Campeonato Manomanista)などの重要な賞のトロフィーを手にした貴重な選手です。

 

また、バスク地方の伝統スポーツで忘れてならないのが、石かつぎ(Herria de aizkolaris)、丸太切り(Arrijasoketa)です。石かつぎは、何百キロもする四角や丸い石を大きな石をまずお腹に載せ、その後肩まで引き上げて、乗せたり首の周りで回す競技です。スペインのニュースでも、毎年必ずこの競技をする屈強な男たちが競い合う場面が風物詩となっています。丸太切りはその名の通り、大きな木の幹を真2つに斧で割るというものですが、これも相当の体力と力強さが必要で、普段の筋力トレーニングが功を奏すると言っても良いでしょう。そして、これらの競技には女性はほどんど見られません。

 

その昔は、人類は何を建物するにも大きな重い石を板に載せて運んだり、太い木を切り倒したりする生活が当然でした。バスク地方の伝統スポーツは、そんな太古の力仕事を彷彿させる人間味のあるスポーツです。いつまでも、バスク地方の男たちの力大会的な伝統的スポーツを受け継いでいって欲しいですね。

 

 

モバイルバージョンを終了