20187年月18日EL PAÍS Web記事より
年棒も契約内容もエリートスポーツ選手にとって申し分ない終着駅日本。先週の月曜日、佐賀県鳥栖市のベスト・アメニティスタジウムの中からの熱気と興奮は外部にまでも溢れるほどだった。サガン鳥栖チームの青とピンクのTシャツを着た熱狂的ファンの群衆が、同じくチームのサッカータオルを頭上に掲げて「Ole! Ole!」とネイティブさながらの大歓声を上げている光景を前に、Fernando Torres(フェルナンド・トーレス)選手は驚嘆した。ほんの一ヶ月前ほど前には、Iniesta(イニエスタ)選手が、神戸ヴィッセルチーム移籍後初のその新しい赤いユニフォーム姿で、プレーを見せ多くのファンを歓喜に沸かせた。また、昨日関西空港に到着した彼を出迎えようと押し寄せた人々も多く、その45分後には、これから2年間彼が腰を落ち着ける神戸にてさらに出迎えのフィーバーが続いたのである。
鳥栖市と神戸市は、600km以上の距離がある。2チームには J1リーグ内で11ポイントの差もある。この2大選手Iniesta(イニエスタ)選手とFernando Torres(フェルナンド・トーレス)選手の日本への移籍大ニュースは、日本への海外の一流サッカー選手が日本への移籍を好まないという説を見事覆したのである。もっとも、それより以前にスペインから日本へ初めて移籍して来た元ラシン・サンタンデールチーム(2007年-2012年)所属で、現在セレッソ大阪所属のOsmar Ibáñez(オスマル・イバニェス)選手もいる。彼はこう言う。「Jリーグのことは何年も前から注目していたよ、競争しがいのある様々なチームが多くあるからね。」また、V・ファーレン長崎所属のJuan Manuel Delgado(ファン・マヌエル・デルガド)選手や、Jairo Morillas(ハイロ・モリージャス)選手も先駆けの選手である。
「日本は、ちょうど40年前のスペインのサッカー年齢くらいかもしれないが、世界的に組織化している」エルクレス→レアル・バリャドリード→レクレアティーボ・ウェルバ→バリャドリード→オサスナを経て、今年から徳島ヴォルティス所属のSisinio González(シシーニョ・ゴンサレス)選手は言う。また「Jリーグは徐々に進化して行っている。ダイナミックでエンターテイメント性があって、予測のつかない試合と、1試合11〜13kmは走ると言われる体力の持続や、試合に絶好のコンディションを持っていく自己管理力にも長けている」。
とりわけ、今季の2人のスーパー選手の来日は日本人の度肝を抜いた。これだけの選手の獲得はいかにして行われたのか?始めは信じられない感覚だったのが少しずつ現実のものとなり、やがて人々を熱狂の渦に巻き込んでいくのである。きっと選手にとってもその感覚は同じであろう。シシーニョ・ゴンサレス選手とオスマル・イバニェス選手は口を揃えた。「この移籍はきっとJリーグを世界に名を轟かせることになるだろう」と。
ついこの初夏まである国は、その豊潤な経済面から海外のサッカー選手の獲得に遮二無二であった。日本はというと、それだけではないプラスアルファの魅力で、選手を惹きつけたのだ。同じ価値の貨幣を積まれても、いや例え少なくとも、迷うことなく日本を選んでくれたのかもしれない。シシーニョ選手によると、ある国に移籍した友人の選手は、生活に馴染めずにすぐ戻ってきてしまったそうである。日本は選手の家族にとっても休日も過ごしやすい住みやすい国なのだという。
その点、神戸ヴィッセルのIniesta(イニエスタ)選手は、神戸は非常に住みやすい街である上、チームも非常にオーガナイズされており、馴染むのも早いだろうとサッカー関係者の間で予測されている。Fernando Torres(フェルナンド・トーレス)選手のチームも住む街も、また然りである。2人とも、各チームでスーパースターであることは間違いない。「早く試合に出たい」イニエスタ選手は待ちかねている様子だ。そして、来月22日天皇杯にてさっそく彼らの勇姿をスタジウムで拝めるかもしれない。彼らにぞっこんな日本のファンたちが狂喜する瞬間である。