6月も後半に入り、気温も上がって夏らしくなってきました。
6月24日はサン・フアン(San Juan:聖ヨハネ)の誕生日で、
その生誕を祝うのがサン・フアンの火祭りです。
ちょうど夏至の頃にあたり、かがり火を焚いて夏の到来を祝うお祭りになっています。
火祭りといえばバレンシアの火祭り(Las Fallas)が有名ですが、
サン・フアンの火祭りも、かがり火や花火、爆竹で祝われる盛大な祭りです。
スペイン全土で祝われますが、特に地中海沿岸の都市の火祭りが有名です。
もともと夏至の頃に行われるお祭りはキリスト教以前から存在していて、
そのお祭りとサン・フアンの生誕が結びついて現在の形のサン・フアンの火祭りになったそうです。
なぜ夏至の頃に祝祭が行われるようになったのでしょうか?
それは夏至を境に昼間が短くなり、太陽の勢いが弱まっていくと考えられていたため、
かがり火をたいて太陽を元気づけようというのが目的だったようです。
太陽の光は動植物の成長に不可欠で、人間が生きるための食べ物の量に影響します。
昔ならその影響は現在よりはるかに大きかったでしょう。
火をたいて太陽を応援しようという気持ちは良くわかる気がします。
現在ではサン・フアンの祭りは夏の到来を祝うというイメージが強いですが、
太陽のありがたみを感じる祭りでもあるわけです。
また祝祭には、火だけでなく水も登場する地域もあります。
では、どんなふうにいわわれるのか、いくつかの都市を見てみましょう!
・バルセロナ
カタルーニャはサン・フアンの祭りが盛大に祝われる街の1つです。
かがり火だけでなく、仮装した人々が爆竹や花火とともに行進する仮装パレードなども行われます。
そして、甘いパン生地にドライフルーツなどをのせたコカ・デ・サン・フアンという伝統的なお菓子を食べます。
・ランハロン(グラナダ)
アンダルシア州グラナダ県にあるランハロンは上質でおいしい水で有名で、
その名前のついたボトル入りの水も売られています。
ここではサン・フアンの祭りは水で祝われます。
住民はみんなホースやバケツ、ボトルなどを持ってお互いに水をかけ合います。
まさに「水かけ祭り」です。
・アリカンテ
アリカンテでもサン・フアンの祭りが盛大に祝われます。
バルセロナと同様、爆竹や仕掛け花火、パレードなどが行われ、街中に巨大な風刺人形が登場します。
最終日にはこれらの人形は一斉に燃やされ、その光景は圧巻です。