男性形と女性形の基本
スペイン語の名詞には男性、女性の区別があり、代名詞や冠詞にも男性形、女性形があります。
代名詞の場合、受ける名詞の性と数でどの形を使うかが決まります。
男性名詞なら男性の代名詞、女性名詞を受けるなら女性の代名詞を使います。
冠詞も同様で、後ろに来る名詞の性と数で決まります。
簡単ですね!
男性形と女性形の使い分け
では、男性と女性が混在しているグループに対して主格の代名詞を使うとしたらどうしますか?
たとえば、共学の学校なら男子も女子もいますよね。
男性だけなら、迷わず“ellos”「彼らは」を使いますね。
女性だけなら、迷わず“ellas”「彼女らは」ですね。
では、男性と女性が混在している場合や混在しているのかどうかわからない場合はどうしますか?
混在している場合も、男女の比率がはっきりしない場合も“ellos”を使います。
これは、男性と女性がいたら男性を代表として男性形を使うというわけではなく、もともとは男性形は性を表さない、つまり中性の意味を持っているためです。
ですから、男性だけの場合も、混在している場合も、特に性を示したくない場合でも“ellos”を使うことができます。
女性に対して差別しているわけではないのです。
少なくともRAEの説明ではこうなっています。
男性形と女性形についての最近の動き
スペイン語に限らず、男性形を一般的な性として扱うことに違和感を感じる人もいて、性差別を感じさせない表現を望む声もあります。
たとえば、
“Hola a todos.”の代わりに“Hola a todos y todas.”
“Los niños deben asistir a la clase.”を“Los niños y las niñas deben asistir a la clase.”
のように表現することを好む人もいます。
また、”ellos, ellas”に代わる中性的な言葉“elle”のような形を提案している人もいます。
政府などではもともと性を感じさせない中性的な言葉を使うようになってきています。