ギネス世界記録によると、2021年8月20日現在、世界一長寿の男性はスペインのレオン在住で、今年2月に112歳を迎えたサトゥルニノ・デ・ラ・フエンテ氏。レオンはスペイン北部に位置するカスティーリャ・イ・レオン地方に属する街です。
先日、同じ112歳のプエルトリコのエミリオ・フロレス氏が亡くなったため、デ・ラ・フエンテ氏が最長寿の男性となりました。フロレス氏はデ・ラ・フエンテ氏よりも数ヶ月先に生まれていましたが、出生日を示す公的な書類はなかったそうです。当時は生まれた子供を届け出ない場合や、間違って記録してしまう場合も多かったようです。
子供が生まれてもすぐに亡くなることも多かったため、すぐには届けを出さないのが普通でした。実際、デ・ラ・フエンテ氏のDNI(身分証明書)の誕生日は1909年2月12日となっていますが、実は2月8日生まれなのだそうです。
デ・ラ・フエンテ氏が生まれたのはアルフォンソ13世の時代。プリモ・デ・リベラの独裁、第二共和制、スペイン内戦と戦後を経験してきました。内戦では戦闘には参加しなかったものの、働いていた工場は反乱軍のための軍靴の製造に使われました。
さらに1918年のスペイン風邪の流行、そして現在の新型コロナウイルスの流行という2つのパンデミアも経験しています。レオンで最初に新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた人でもあります。
30年以上も靴の工場で働き、8人の子供、14人の孫、22人のひ孫に恵まれました。かろうじて死を免れた経験も数多くあったそうです。今回の新型コロナウイルスのパンデミアも乗り越えて、もっと長生きされることを祈ります。
ちなみにギネスに認定されている世界最高齢の女性は、日本の福岡県在住の田中カ子(かね)さん。1903年生まれの118歳です。