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室内で傘を開くのは不吉?

今日は朝から雨でした。雨が降っていたので傘を差してスタッフはADELANTEに行きました。そして濡れた傘を乾かすために開いて床に置いていました。するとそれを見たスペイン人ネイティブが「¡Anda! Mala suerte…」と一言。え? と聞き返すと、スペインでは室内で傘を開くのは不吉なことだと言うのです。彼の国ではこのジンクスを信じている人が少なからずいるそうですが、ではこんな話は一体どこからやってきたのでしょう? 

 

人類は太古から雨が降った時に何かで覆いをして体や物が濡れるのを防いでいました。そして、私たちが今使っている傘の原型は今からおよそ2600年前に中国で発明されたもの。東洋の発明品が西欧にもたらされたのは18世紀、イギリス人のジョナス・ハンウェイが導入したと云われています。雨よけの最良品として、ここから一気に傘はヨーロッパに浸透。だからスペインの不吉伝承もこの時代以降に生まれたものだと分かります。

 

たくさんの人が、家から出かける前に傘を開いて外出し、また家に帰ってからも開きっぱなしにしていたとか。家で傘を開いているとどうなるのでしょう。不慮の事故が発生します。傘の先端が目にぶつかって大怪我になる事故が多発。子供のころ、傘を振り回していたら危ないと学校の先生が厳しく注意していましたが何だかそれに通じる話。こういう訳で、傘を室内で開くのは危ない! という言説が自然発生しました。そして代々、語り継がれていくうちに事故の原因というよりむしろ不吉を呼ぶ迷信めいたお話に変化していったそうです。

 

だからスペインで暮らして何となく傘を部屋干ししていると、同居人のネイティブに「不吉だわ!」と言われることがあるかもしれません。

 

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