毎年バレンシアで開かれる国際パエリアコンクールで、今年はメキシコ人(サカテカス出身)が優勝し、世界一美味しいパエリアのタイトルと賞金2500ユーロを獲得しました。
2位は地元バレンシアのレストランMesón El Molino、3位はドイツのレストランBornheimer Ratskellerでした。
今年2022年のコンクールの決勝は9月11日に行われ、12カ国から参加者が集まりました。
参加者は同じレシピ、同じ材料(お米はコンクール会場であるスエカ(Sueca)産))を使用して薪で調理します。
優勝したのは、メキシコのサカテカス州グアダルーペでケータリングサービスを行っているロヘリオ・カスタニョン氏とアルフォンソ・オヴァジェ氏。
優勝から一夜明けて、ロヘリオ氏は「優勝できてとても満足している。優勝できるとは思ってもみなかった。パエリアは私達にたくさんの喜びをもたらしてくれた。だからこそ、学生の頃からパエリアを研究してきた。」と語っています。
2人がパエリアを作り始めたのは、12年ほど前の大学生だった頃。
しかし、このコンクールのレシピを知ったのは、コンクールの予選に始めて参加した4年半前のことだそう。
それ以来、完璧を求め、改良を重ね、研究を続けてきました。
メキシコのスペイン人コミュニティで、バレンシアのパエリアを知っている人たちに試食してもらい、「お米に火が通り過ぎ」などの意見をもらい、ひたすら実践を繰り返したそうです。
パエリアの専門家によると、40人以上のシェフが参加し、そしてその多くがバレンシア出身という状況で、メキシコではパエリアがまだ一般的でなく、しかも材料が手に入りにくい点でも、メキシコ人が優勝したのは偉業だそうです。
2人の出身地のサカテカスでは材料が手に入らず、しかも海抜1600メートルの高地であるため、バレンシアの条件に近い海沿いの街のテアカパンに移動して練習を重ね、バレンシアでのコンクールに備えたそう。薪での調理なので火のコントロールが大変だったようです。
優勝できたのは、「特に秘密の策があったわけではなく、パエリアを作るときに情熱と愛を持って作っていること、ともに働く仲間を信頼しているからだと思う」とカスタニョン氏。
美味しいバレンシア風パエリアがメキシコでも食べられるのは嬉しいことですね。