2019年4月22日からマドリード地下鉄3番線のプラサ・デ・エスパーニャ駅のプラットフォームの壁がミゲル・デ・セルバンテスの「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ(Don Qujote de la Mancha)」で「占拠」されています。これはマドリード地下鉄とマドリード出版社協会の共同で行われている「本の日」と地下鉄100周年記念を合わせた取り組み。
「いつの時代にも読まれる本は、問いかける本でなく、我々に答えをくれる本だ」とはオスカー・ワイルドの言葉ですが、「ドン・キホーテ」はまさに時を超えて、聖書の次によく読まれる本になっています。なぜなら「我々を悩ませ続ける問題の多くに答えをくれるから」と出版社協会の会長。
189メートルのプラットフォームの378平方メートルの壁には、「ドン・キホーテ」の全編の文章が印刷されて掲示されているだけでなく、有名な部分の抜粋や挿絵も掲示されています。地下鉄の乗客は、駅に電車が着いたときにゆっくりプラットフォームで作品を読むことも、走行中の電車から大きな文字で印刷された抜粋を読むこともできます。まずは駅で読んでもらい、気に入れば本を購入してもらおうという狙いもあるよう。
同協会では読書を推進しており、地下鉄の乗客にもっと本を読んでもらおうと、電車の中にさまざまなジャンルや著者の作品の一部を掲示するなどして「街に本を」というキャンペーンを20年以上も前から行っています。
スペイン語を勉強している人もそうでない人も一度は読んでみたい「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」。もし、マドリードに行って地下鉄に乗る機会があれば、ぜひプラサ・デ・エスパーニャ駅で「ドン・キホーテ」を読んでみてください。抜粋部分を読んだり、挿絵を見たりするだけでも雰囲気が味わえると思います。プラサ・デ・エスパーニャでドン・キホーテとサンチョ・パンサの像を見れば、さらにドン・キホーテの世界に浸れますね。