“cansado/a”(疲れた)、“pescado”(魚)という単語は知っている人が多いと思います。
でも耳で聞いたとき、聞き取れなかったという経験はありませんか?
それは“d”の音が聞こえなかったからではないでしょうか?
“d”の音はある条件で、非常に弱く発音されてほとんど聞こえなくなります。
スペインの地域によっては“d”の音が完全に省略されてしまうので、知っている単語が聞き取れないということが起きることがあります。
たとえば、“cansado”は[kansáo]のように発音されるので、別の単語のように聞こえるのです。
では、どんなときに“d”の音が弱く発音されるのかを見てみましょう。
1. 母音の間に“d”の音がある場合
“cansado”を例に取ると、“a”と“o”の間、つまり母音の間に“d”が来ています。このように母音の間に“d”が来る場合、特に“-ado”で終わる過去分詞などの場合に“d”の発音が弱くなったり、完全に省略されたりします。
- ej) cansado [kansáo], pescado [peskáo]
また“-ido, -ida”で終わる場合にも“d”の音が弱くなったり省略されたりします。
- ej) comido [komío], venida [benía]
- 単語の最後に“d”の音が来る場合
単語の最後に“d”が来る場合、非常に弱く発音され、スペインのある地域では発音されなくなります。
ej) Madrid [madrí], usted[usté], verdad[berdá]
スペインの中央部では音節の最後の“d”が“z”の音で発音されることがあります。
(英語の“th”のような発音に聞こえます)
- ej) virtud [birtúz]
また、カタルーニャ地方の人は単語の最後の“d”を“t”の音でよく発音します。
- ej) verdad [berdat]
知っているはずの単語が聞こえないときは、話すスピードが早くて単語がつながって聞こえる場合や、今回の“d”のように発音されない場合など、いろいろなパターンがあります。
正確に聞き取るには、文字として見た単語や文が実際にどのように聞こえるかに慣れていくことが大切だと思います。少しずつ慣れていきましょう!