在来種の生態系を脅かすことで問題となっている外来種。日本でもブラックバスやマングースなどの外来種が生息していますね。関東地方の都心では野生化したワカケホンセイインコが話題となりました。インドやスリランカ原産の外来種ですが、ペットとして日本にも輸入され、それが逃げ出して野生化して群れをなしています。鮮やかな緑色の綺麗な鳥ですが、やはり大量発生したことで現在は問題視されており、近い将来は駆除対象の外来種となる可能性があります。今、東京と同じことがマドリードでも起きています。
マドリードでも野生化した外来種オキナインコが問題となっています。南米が原産の緑色の鳥で、日本でもペットとして販売されています。マドリードには現在、およそ12,000羽の野生オキナインコが生息していると考えられており、マドリード市議会は2020年秋には駆除する予定だと伝えています。その方法としては巣の撤去、個体数を増やさないための去勢(卵の撤去)などが挙げられています。1羽を減らすのにかかるコストはおおよそ6〜8€(800円程度)と計算されているそうです。
もちろん理由もなくオキナインコの駆除を決定したわけではありません。一般的に外来種が増えすぎると、それよりも弱い在来種の生態系バランスが崩れ、生物多様性の減少に繋がる恐れがあります。また、都会で増えすぎた野生動物は衛生問題にも悪影響を与えます。
特に巣の撤去は重大事項として挙げられています。というのも、なんとオキナインコの作る巣は最大で200kgにもなるそうです! それが高い木の上で巣を作って、万一、人の頭の上に落下したら、最悪の場合は死亡事故になる恐れもあります。他にも病気の感染源になる恐れや、騒音(インコはよく鳴きます)問題が発生しています。
こうした背景があるからこそオキナインコを駆除する方向にマドリードは舵を切ったわけです。ワカケホンセイインコに頭を悩ます東京や神奈川も同じ問題を抱えています。
オキナインコ、すごく愛くるしい姿の鳥ですが……。皆さんはこの駆除についてどう思いますか?