以前スペインの義務教育について紹介しました。こちらでは義務教育後のその後の高校・大学についてご紹介します。
スペインでは10年間の義務教育が終わった後、希望する人は高校:バチジェラート(スペイン語では「Bachillerato」)へ行きます。
日本では高校進学時に文系か理系かなどの科を選ぶことがほとんどですね。もし高校で文系の学校に行っても大学では理系となっても特に大きく問題はないですがスペインではそうはいかないようです。
スペインの高校生は高校入学時つまり16歳で自分の専門分野を決める必要があります。将来どうなりたいか、何をしたいか決める必要があるのです。
選択肢は全部で3つ:
Humanidades y Ciencias Sociales(人文科学・社会科学)
Ciencias y Tecnología(科学・工学)
Artes(芸術) です。
高校生から自分の好きなことや専門性を高めることができるのがスペインの教育システムと言えるでしょう。日本では高校生から専門性を磨く学校はスペインに比べるとまだ少ないのでは?と思います。そんな専門性を極めることができるスペインですが、反面、将来の選択を16歳やそこらで限定してしまうのは…という意見もあります。
確かにもし高校に進学したいなら中学校の時点である程度将来どういうことをしたいか、どういうことに興味があるか本人がきちんとわかっている必要がありますね。
さて大学「Universidad」ですが高校で3つの中から自分の専門を選択をしているので、必然的に大学進学時も同じ分野を選択をすることになります。高校で芸術を選択したら大学でも同じ芸術の分野に進みます。スペインの大学のホームページもだいたいこの3つ(人文科学・社会科学、科学・工学、芸術)にページや分野が別れていることがほとんどです。
昨年12月の中旬頃まで日本のニュースで取り上げられていた、大学入学共通テスト問題。日本のセンター試験のような試験はスペインでもあり、これをセレクティビダ「Selectividad」と言います。日本の大学ではセンター試験の結果が全てですが、スペインではこのセレクティビダに加え高校までの成績も換算されます。なので、センター試験の出来がかなり良くても成績がいまいちであれば合格率も下がる、という訳です。スペインのシステムの方が成績は総評価になるので、そちらの方が良いのかも?と思いますね。