4月24日Universia.netweb記事より
スペインでは現在、会社の欠勤数増加が重大な問題になっている。人材派遣会社ランスタッドの2018年欠勤率調査によると、スペイン国内での欠勤率は、ヨーロッパの他の国に比べると非常に高く深刻な状況であることがわかった。労働時間の柔軟性の無さが欠勤者の多さの理由のひとつと言われているが、企業にとってはかなりのマイナス要因である。
またランスタッドは、国家統計研究所と経済活動調査所による3か月ごとの調査の中で、欠勤問題は企業のみならずスペイン国内の問題であると指摘している。実際、スペインの今年第1四半期の欠勤者は250.000人であった。これは国の全体労働者の1.3%が欠けていることを意味する。そして病欠欠勤者は577.000人、トータルすると約800.000人の労働者が実際に果たすべき自分の仕事を成していないことになるのである。結果、50.200.000.000ユーロ(日本円で6.425.600.000円)の損失が見込まれる。
企業の監視調査会によると比較的欠勤の少ない業種は、雇用サービス会社、出版社、電気電子セクターなどで、逆に多い業種は、サービス業、介護職、福祉関係などである。またスペインのバスク地方、カスティージャ地方とアストゥリアス地方の欠勤率が高く、一方リオハ、バレンシア、ラ・マンチャ地方は低い結果が出ている。
こうしたことを受けて、今後は企業内部の働き方改革が必要性を重視していく方針だ。特に女性労働者の労働時間や雇用時間の見直し、在宅勤務などが導入を検討したり、労働者達のつぶさな意見を上層部が取り上げていく姿勢も徐々に考えられているようだ。働く環境の見直しと生活の質の改善が、今後の欠勤率を決定する鍵となることは間違いないだろう。