スペイン語を母国語とする人の数は約4億人以上で、中国語を母国語とする人に次いで2番目に母国とする人の数が多い言語です。スペイン語の学習者の数は世界中で約2200万人。国は違っても学習者が「スペイン語は難しい」と思う共通のポイントがいくつかあるようです。どこがどう難しいと感じているのでしょうか。それは日本人の学習者にもあてはまるのでしょうか。
学習者が感じる難しさは、その人の母国語によっても違います。たとえば、フランス語やイタリア語などスペイン語と同じロマンス語に属する言語を母国語にしている人と、日本語や中国語など全く違う言語を母国語にしている人とでは、難しさはかなり違ってきます。(でも、似ている言語を母国語にしている学習者たちには、似ているからこその難しさや混乱しやすい点があるそうです。)では、その点を考慮しつつ、多くの学習者が難しいと感じているポイントを見ていきましょう。
- 動詞の活用が多い
これはスペイン語を勉強し始めたときに多くの人が感じることだと思います。主語によって6つの形に変化すると知ったとき、勉強をやめたくなった人もいるのでは?確かにar動詞、er動詞、ir動詞で活用のパターンが違い、さらに不規則変化の動詞も多いので、慣れるまではかなり苦しいですね。時制も現在、現在完了、点過去、線過去、過去完了などがあり、さらに直説法と接続法があるのも悩みの種のようです。
簡単な文章で主語を入れ替えて動詞を活用させて言ってみる、まずはよく使うyoとtúの活用を覚えるなど、みんないろいろ工夫しているようです。忘れると落ち込みますが、忘れては覚えるの繰り返しだと開き直って、その都度辞書などで確認していきましょう。
- serとestar、どちらを使う??
これも多くの人が悩むポイントですね。原則的には、serは性質や属性など本質的なものを表し、estarは物や人の状態を表します。英語やフランス語、ドイツ語など多くの言語にはこの区別はないので苦労する人が多いそうです。serを使うかestarを使うかで表す意味が変わるので注意が必要です。
たとえば、Las manzanas son dulces.「リンゴは甘い(性質)」とLas manzanas están dulces.「リンゴは甘くなっている(甘い状態である)」のように意味が違ってきます。
- 語順が自由すぎる!?
英語では「主語+動詞+目的語」や「主語+動詞+補語」のように語順がかなりきちんと決まっていますね。スペイン語では動詞の活用形で主語がわかりやすいので主語が省略されたり、主語が後ろに来たり前に来たり、目的語も前に来たり後ろに来たりと、語順がかなり自由です。この構文の自由さに戸惑う人も多いそうです。日本語も語順はかなり自由な方なので、日本人には案外なじみやすいのかもしれません(?)。
- rとjの発音
スペイン語は日本語と同じで母音がa, e, i, o, uの5つなので、日本人には発音しやすいと思います。でも、子音のr(rr)とjの発音はどの国の学習者も苦労しています。r(rr)の音はいわゆる巻き舌の音なので、練習が必要な人も多いでしょう。うまくできますか?jの音は喉の奥から強く息を出すような音で、日本人にとってはあまりなじみがない音と感じられるかもしれません。どちらもネイティブの音をよく聞いて真似をしてみましょう。
これ以外にも、日本人にとっては、名詞や形容詞の性と数の変化、冠詞の使い方なども難しい点だと思います。特に冠詞は日本語にはない概念なので難しいですね。英語でも冠詞で悩んだ人は多いと思います。基本的な使い方を理解したら、あとはその言語に多く触れて慣れていくことが大切なようです。
いかがでしたか?勉強していると、壁にぶち当たることが何度もあるもの。他の国の学習者も同じように悩んでいます。そんなときは自分だけではないと思って、ちょっとリラックスしてみましょう。参考書だけでなく、動画やポッドキャスト、電子ブックなどいろいろな教材の助けを借りたり、人に聞いてみたり、レッスンを受けてみたり、楽しみながら続けられる方法を考えてみてください。アデランテの講師やスタッフも頼ってみてくださいね!