スペイン語では「~である」という意味を表す動詞に”ser”と”estar”の2つがあります。英語のbe動詞にあたるものですが、スペイン語では、本質的な性質や恒常的な性質を表す場合には”ser”、一時的な状態を表す場合には”estar”を使います。この使い分けに悩まされる学習者も多いと思いますが、まずは「本質的なことは”ser”、一時的なことは”estar”」とざっくり理解して、実際にどのように使われているかを読んだり聞いたりして慣れていきましょう。では、例文とともに使い分けを見ていきましょう。
■ ser
1) 主語の特徴や属性、性質、性格などを表す
– Soy Nuria. 「私はヌリアです」(名前)
– Pablo es español. 「パブロはスペイン人だ」(国籍)
– Somos estudiantes. 「私達は学生です」(肩書、職業)
– La casa es muy grande. 「その家はとても大きい」(特徴)
– El profesor es simpático. 「その先生は感じがよい」(性格)
2) 時刻や時間、曜日、季節などを表す
– Son las diez de la tarde. 「午後10時です」(時間)
– Es lunes. 「月曜日です」(曜日)
– Es otoño. 「秋です」(季節)
3) 物事が「行われる、起きる、ある」という意味を表す
– La fiesta es en mi casa. 「そのパーティは私の家で行われる」
– El concierto es mañana. 「そのコンサートは明日です」
■ estar
1) 主語の状態や様子、変化の結果を表す
– Mi hermana está embarazada. 「私の姉(妹)は妊娠している」
– Estamos contentos. 「私達は満足している」
– ¿Cómo estás? – Estoy muy bien, gracias. 「お元気ですか?」「とても元気です、ありがとう」
– La puerta está abierta. 「扉は開いている」
2) 主語の所在「~にある、~にいる」という意味を表す
– El hotel está cerca de aquí. 「そのホテルはこの近くにある」
– Mi padre está en la estación. 「私の父は駅にいる」
3) 「estar+現在分詞」で進行中の動作を表す
– Elena está durmiendo. 「エレナは眠っている」
– Ellos están trabajando. 「彼らは働いている」
■ “ser”につくか、”estar”につくかで意味が変わる形容詞があるので注意しましょう。いくつか例を挙げてみます。
1) rico
・ser rico:(人が主語の場合)「お金持ちである」- Jorge es muy rico.「ホルヘはとてもお金持ちだ」
・estar rico:「美味しい」- Esta sopa está muy rica.「このスープはとても美味しい」
2) interesado
・ser interesado:「利己的である」- Pedro es una persona interesada. 「ペドロは利己的な人だ」
・estar interesado:「(何かに)興味・関心を持っている」- Estoy interesado en las nuevas tecnologías.「私は新技術に興味がある」
3) listo
・ser listo:「利口である」- Pedro habla cinco idiomas. Es muy listo.「ペドロは5つの言語を話す。とても利口だ」
・estar listo:「準備ができている」- ¿Estás listo?「準備はできた?」
4) cerrado
・ser cerrado:「内向的である」Mi compañero de trabajo es muy cerrado. 「私の同僚はとても内向的だ」
・estar cerrado:「閉じている、閉まっている」El supermercado ya está cerrado.「スーパーはもう閉まっている」
<確認問題>
1) Mi coche (es/está) azul.
2) Los árboles (son/están) en el jardín.
3) El niño (es/está) pensando.
4) Elena y Ana (son/están) mis mejores amigas.
5) (Estamos/Somos) en una playa hermosa.
答え:1) es, 2) están, 3) está, 4) son, 5) Estamos
いかがでしたか?使い分けを理解しながら、”ser”と”estar”の活用も覚えていきましょう。