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“sin mí, sin ti”なのに、なぜ“con”のときは “conmigo, contigo”になるの?

スペイン語では、前置詞の後ろに人称代名詞(人を表す代名詞)が来るときは、

hacia mí, hacia ti, hacia sí; de mí, de ti, de sí; para mí, para ti, para síのようになります。sin(~なしで)の場合もsin mí, sin tiとなります。

 

ところが、con(~と共に、~のある)の場合だけ、conmigo, contigo, consigoの形になるのです。初めてこの形を見たとき、「何これ?なんで?」と思いませんでしたか?

 

語学に例外はつきものなので、あまり「なぜ?」を追求しない方がいいのでしょうが、conmigo, contigo, consigoの形についてはちゃんとした理由があるのです。

 

その理由は古典ラテン語までさかのぼります。現在のconに対応するラテン語の前置詞cumには、人称代名詞が来るときは人称代名詞を前に置いて一語となるという変わった特徴がありました。つまりmecum, tecum, secumme, te, seが人称代名詞)のようになるのです。

 

そしてイスパノ・ロマンス語の初期段階で音声学的な変化が起こり、mecum, tecum, secummigo, tigo, sigoに取って代わられ、さらにcum(~と共に)という意味がすでに含まれていることが忘れられて、ロマンス語の前置詞conが前につけられるようになったのです。「~と共に」という意味が重複しているわけです。

 

中世までは、(connusco ‘con nosotros’ / convusco ‘con vosotros’)という複数形の形もあったのですが、消えていきました。そして現在に至り、conmigo, contigo, consigoの形が使われているのです。

 

一方、sinの方はラテン語の前置詞sineから来ています。sineは、sine me, sine teのように常に人称代名詞の前に置かれていました。そのため、現在のsinもその構造を受け継いでsin mí, sin tiの形で使われます。

 

こんな理由は覚えなくてもいいですが、conのときはconmigo, contigo, consigoとなることは覚えておきましょう!

 – Ven conmigo. 「(私と)一緒においで」

 – Hablo conmigo mismo. 「私は独り言を言う(自分自身と話す)」

 – Tengo clases contigo. 「君と一緒に授業を受ける」

 – Hablas contigo mismo. 「君は独り言を言う(自分自身と話す)」

 – Él llevó el dinero consigo. 「彼はそのお金を持っていった」

consigoは再帰的な意味でのみ使われ、主語と同じ人物を指す。

ここではconsigoで表されているのは主語と同じél(彼)になる。「彼は(彼と共に)そのお金を持っていった」の意味。人称代名詞のは主語と同じ人を指す場合にのみ使われる。

 

(参考)

Ella siempre habla de misma.「彼女はいつも自分自身のことばかり話す」

Ella siempre habla de él. 「彼女は彼のことばかり話す」

 – No puedo vivir sin ti. 「私はあなたなしでは生きられない」

 – Fuimos al cine sin ella. 「私達は彼女抜きで映画に行った」

 

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