“lo”と聞けば、目的語の代名詞の「それを、彼を」がまず思い浮かぶと思います。
話の中で出た人や物を指すときに使いますね。
でも、代名詞の“lo”とは違う中性の定冠詞の“lo”というものも存在します。
普通の定冠詞は名詞にくっついて性と数を表しますが、
中性の“lo”は名詞にはつきません。(スペイン語には中性の名詞はありません)
基本的には、形容詞や副詞、過去分詞などの前に置かれて、後ろにくる言葉を「~のこと、~のもの」のように名詞化します。
後ろに来る言葉の意味を強める役割をしたり、話している人の間で既知のことについて間接的に述べるときに使われることもあります。
それでは、どんなふうに使われるかを具体的な例で見ていきましょう!
1) lo + 形容詞
Lo importante es ser feliz.
大切なのは幸せであることだ
Lo bueno de este trabajo es que se aprende mucho.
この仕事のいいところはたくさん学べることだ
Lo mejor de aprender idiomas es que puedes hablar con personas de distintos países.
言語を学ぶことの一番いいことはいろいろな国の人と話せることだ
Intento hacer todo lo posible.
できることはすべてやるようにしている
Llevo lo justo para comprar el pan.
パンを買うのにちょうどの分(ぴったりの金額)を持っている
2) lo + 副詞
Intenté hacer lo mejor, pero no pude terminar el trabajo.
最善をつくそうとしたが、その仕事を終わらせられなかった
Lo poco que hizo fue suficiente.
彼がした少しのことは十分だった
Ven lo antes posible.
できるだけ早く来なさい
¿Te das cuenta de lo bien que baila su hija?
彼女の娘が上手に踊ることに気づいてる?
3) lo de + 名詞
話している人の間で既知のことについて間接的に述べるときに使われます。
Nos pasamos el tiempo hablando lo de Ana.
私達はアナのことについて話して過ごした
No recuerdo bien lo de ayer.
昨日のことはよく覚えていない
4) lo de + 不定詞
Lo de estar siempre en casa es muy aburrido.
いつも家にいることはとても退屈だ
Lo de no poder ver a mis amigos es triste.
私の友達に会えないのは悲しい
5) lo + que
Lo que me gusta más es viajar.
私が一番好きなことは旅をすることだ
Lo que puedes hacer es buscar un nuevo trabajo.
君ができることは新しい仕事を探すことだ
6) lo + 過去分詞
No me arrepiento de lo dicho.
私は言ったことを後悔しない
Hablamos sobre lo escrito.
私達は書かれたことについて話した
7) lo + 所有格
Lo mío es tuyo.
私のものは君のものだ
「それを、彼を」では理解できない“lo”があったら、それは中性の定冠詞かもしれません。
案外良く使われているので観察してみてください。