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スペイン豪華列車の旅

2018.04.11

(EL MUNDO 4月6日Web記事より)

1983年に、Feve(狭軌鉄道)を元に、国鉄RENFEが打ち出した列車の旅、エクストレマドゥーラ地方を走る銀の道、
北の町サン・セバスチャンからサンティアゴへの道、あるいはサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼の旅。
2018年の現在もさらに新たな旅の提案をし、実際昨年の乗客数は、過去最高、前年比36.38%増しの30.646人という
記録を更新したスペイン国鉄RENFEである。様々な国々からの乗客内訳は、アメリカ10.85%、ドイツ7.44%、
アルゼンチン8.84%、オーストラリア7%、イギリス4.02%となっている。

 

【ベルエポック アンダルシアから】

列車に一歩足を入れるとベルエポックの時代にタイムスリップしたかのような印象だ。1920年代を謳歌したイギリス
貴族達の黄金時代、かつてカライスとコスタ・アズールを往来したフランス鉄道のごとく、まさにアメリカンスタイルの
社交ダンス、フォックストロットが流れていた古き良き時代である。その1世紀後、時代を超えてあの豪華列車が魅惑の
アンダルシアから出発するということで、乗車券は即完売状態にあるらしい。

 

旅程は、セビージャとマドリード間をエクストレマドーラ地方を抜けて走る銀の道のみならず、トレドやアランフェスにも
立ち寄る。さらに、イベント用に車両貸し切りも可能である。料金には、食事はもちろんのことセビージャ宿泊先ホテル
アルフォンソ13世やヘレスでの馬術ショーも含まれる。今月から始まるこのツアーは、9月〜10月まで続く。
料金は、6泊7日の旅で、デラックスルーム3.600€〜、スイートデラックスルームだと4,500€である。

 

【スペイン北部を走るトランスカンタブリコ号】

このトランスカンタブリコ号も、先にご紹介した1920年代のアールデコ調のアンダルシア発の豪華列車と同様だが、
2つタイプがある。その内のひとつクラシコ号は、7泊8日で巡る旅である。レオンを出発し、システルナ、グアルド、
ビジャサナ・デ・メナ、ビルバオ、サンタンデール、最終的にはサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す。
出発期間は5月19日〜10月6日までと決まっている。料金は3.600€である。一方グランルホ号は、さらにスペイン北部の
自然の中を走る。14のスイートルームしか持たないこの列車は、まずサン・セバスチャンを出発し、各地観光名所や
グルメどころを回る。料金は宿泊、食事、その他のアクティビティ全て込み、7泊8日で4,980€である。
出発期間は4月21日〜10月20日までである。またこの列車には、3泊4日で1,650€と、4泊5日で2,250€という短期日程もある。

 

【スペイン北部狭軌鉄道の旅】

スペインの狭軌鉄道は、主に北部を通るレール幅の細い鉄道だが、Paraíso Verdeと呼ばれるビルバオとオビエドを往復する
ルートと、レオンとビルバオを往復するルートとがある。かつて石炭列車が通っていたレールをたどっている。
面白いのは、近年ネットでの乗車券購買率の利用が増えたこと、あるいは食事の心配のないように昼食付き(ただし温かい
食事ではない)の乗車券であるという事である。各車両には、寝台列車が4台とコンパートメントが7つある。
出発時期は、3泊4日の旅の場合、8月に2種類のの旅程が組まれているものと、ロブラ出発が一日だけ9月の初旬である。
料金は、スタンダードで850€、プライベートルームに変更の場合は追加料金320€。

 

【サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼列車の旅】

国鉄RENFEが2015年にスタートさせたこの巡礼の列車の旅で、サンティアゴ・デ・コンポステーラを訪れる人の数も増加した。
4つの旅程からなるこの旅は、マドリードを出発しガリシア地方のトュイまで乗客を乗せた後、各地で巡礼証明書を受けとりつつ
サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指すのだ。ただし夜は列車の中で睡眠を取る。寝ている間に移動する動くホテルだ。
2018年はトュイ、オ・ポリーニョ、モス、レドンデーラ、アルカデ、サン・アマロ、ビジャグラシア・デ・アルーサ、カバドス、
オグローベ、ガルダス・デ・レイ、バルガ、パドロンとテオに停車する。また、レストランやカフェテリアの充実、各国の言語の
雑誌や新聞、図書館、ビデオ鑑賞やテレビ鑑賞などの娯楽提供など、車内を快適に過ごすための工夫もされている。
料金は、5泊6日の旅で、675€である。

 

【ガリシア地方ワインの道】

本当に良いワイン好きの方向けの、ワイン学とも深い関係にあるガリシア地方を巡る旅である。
つまり、ÓRibeiro-Rías Baixas、Rireira SacraとValdeorrasなどガリシア産ワインを楽しめる。
では、ワインに興味がない人は?実は他にもオプションがあって、ルゴという町へローマ遺跡を見に行くという選択も出来る。
修道院巡りもある。どの旅程もガリシア州政府が所持するINORDE(インスティチュート・オレンサン・デ・デセンボルベメント
・エコノミコの略)とコラボしている。また今年からは、お得な回数券も15€で発行されている。

 

【中世期の列車で行くシグエンサへの旅】

マドリードとグアダラハラのシグエンサを行き来する鉄道の旅は、日帰りで行く事が出来る。
片道1時間20分の旅ではあるが、出発から車中〜下車するまで中世期の本物の劇を見る事が出来る。中世期の著名人に扮した
俳優達が次々と登場する。シグエンサに一歩入ると、カテドラル、お城、マジョール広場や、中世期の青年期族の住まいなどが
あり、まさに町の伝説の宝庫で興味津々になること間違いなしである。
出発時期は、4月から10月の間、1日観光で35€。